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現地球についてのお気持ち

たびたび話題に上がる現地球問題についてです。

私は植物に関して学問を修めたことはなく、全くの素人考えのため、的外れな意見もあると思いますが、思考をまとめるために書き留めます。

 

まず、現地球の定義について。ここで指す現地球とは、その植物の自生している原産国で採取、盗掘された山採り株のこと。農場で実生などにより繁殖された株は含まれない。

 

現地球といってもその全てが問題になる訳ではない。現地球の置かれる状況を大まかに3パターンに分ける。

 

1. 法による規制はあるが、合法に或いは非合法に輸入され流通しているもの。

2. 法による規制はないが規制が間に合わず、種が危機的状況に置かれているもの。

3. 法による規制はなく、現地球を採取しても種に与える影響が少なく、問題となる恐れが低いもの。

 

主に問題とされるのは1と2。

1に当てはまる例としては、コピアポアが挙げられる。ここで気をつけたいのは、合法的に輸入されていたとしても、法自体が意味をなしていないというケース。つまり、違法ではないが分類群(自生している植物のこと)へダメージを与えているということ。

2は最近話題になったモンソニア ペニクリナムが当てはまる。分類群へのダメージはもちろん、絶滅の可能性も高い。

 

そもそも何故を現地球(=植物群)を保護するべきなのかという話だが、難しい話になるので簡単に。

野生から採取された植物は、基本的には野生に戻すことはできない。遺伝子汚染などの恐れがあるから。従って、野生からその繁殖する速度を超えて採取され続ければ、絶滅するのは必然。生育に何十年という時間のかかる植物であれば、あっという間に絶滅する。

絶滅しても採取された山採り株や実生があるから問題ない、とはならない。自生している植物はその地域の生態系の一部。人の手によって管理・維持されても生態系から外れた時点で、自然の中の一つの種としては死を迎えたのと同義。

 

上記以外にも植物群ひいては自生地を保護する様々な理由はあるが、割愛する。

 

次は、現地球が輸入されてしまったその後に焦点を絞る。

数十年前は当たり前のように山採り株が輸入され売買されていた。それは時代もあるし、環境や生物への理解もまだ浸透していないことを考えると仕方のないこと。その頃の山採り株はまだ残っていて流通しているものもあるが、これは大事に受け継いでいってほしい。

 

直近で輸入されたものに関しては、単に売買やコレクションを目的としての購入は控えてほしい。研究目的や実生による普及活動のためであれば理解できる。

 

最後に、一番大事なところ。現地球が悪いのではなく、現地球を新たに輸入して販売する人が悪い。全ての現地球が問題なのではなく、この現代において輸入され続けている絶滅に瀕した現地球を輸入販売する人が問題。

最近ではコノフィツムが新たにCITES入りした。今回モンソニア ペニクリナムを出品していたのも同じ業者。

園芸界隈や植物そのもの、後人の趣味家の将来のことを考えると、危機的な状況に置かれている現地球の輸入はいいことのようには思えない。自分には、楽しい植物趣味を次の世代に残したい、共有したいという思いがある。これ以上法による規制を増やして後人の楽しみを奪いたくないというただそれだけ。かしこ。